Final Reviews, Ethiopia Project


(画像左:オープニング、右:FeiとつくったFilm)
スイスに来てから9ヶ月ほど。早いもので、もう1年目の最終プレゼンが終わってしまいました。特にこのセメスターは短く感じましたね。やっぱりエチオピアから帰って来てから時間がなかったせいだと思いますが、まだプロジェクトの途中のような印象ですね。
さて、この課題の成果物としてはもちろんデザインもありますが、アディス滞在中にFeiと早起きしてストリートチルドレンの生活を取材した、ショートフィルムも制作しました。コースとしての現地でのスケジュールは、大学やディベロッパー、NGOなどのフォーマルな場所で多くの時間を費やしたので、人々の生活そのものを感じる機会は少なかったわけですが、僕たちがストリートチルドレンの生活を追いかけて感じたものは、むしろ僕たちがデザインするうえで知らなければならない現実でした。これを現地の感覚がない人々に伝える事はとても難しいのですが、このショートフィルムは僕たちのプロジェクトの中でも重要なメッセージになっていると思います。

(画像:プレゼンテーションの様子)
今回のプロジェクトは、アメリカ人のMATTHEWとコスタリカ人のSEBASTIANという30代の建築家たちとチームを組んで、大きいスケールながらもできるだけ空間的な提案になるように心がけました。僕たちの提案は、開発地区に流れる5本の川を背骨にして、乱立する新しい建物群に囲まれながらも、現存する家畜やインフォーマルなマーケットのような、人々の生活の根幹となるアクティビティを許容できる空間を提案しています。
 アディスでは多くの川ははっきり言って汚く、トイレやゴミ捨て場として使われているのが現実ですが、ゾーニングの境界になっていたり、人々が洗いをするのに集まって来たりと、空間的なポテンシャルは高いと思います。そんな川沿いの空間を魅力的な空間として現地の人々に見せる事が第一の目的でした。まだ空間的な魅力を見せるまでには至っていないのですが、徐々に変化させていく方法の提案とともに、もうしばらく案を発展させたいと考えています。
 さて、実は今回の最終プレゼンで気がついたのですが、僕たちがこのコースでやってきたことっていうのは、言ってみればすごく中途半端なんですよね。建築の分野とはスケールも違うし、建築のデザインにそこまでこだわってるわけではない。かといってアーバンデザインのようにしっかりとした枠組みやルールの提案もしていないし、クライアントがいるわけでもない。今回の講評会でゲストの人たちが困っていたのは、その辺りの曖昧さにあったようで、評価の方向性が定めにくかったようです。ただ僕が思うのは、この中途半端さというのはスタンスとしてとても重要で、ここからアーバンデザインとしても、建築のデザインとしても発展させられるような、場のポテンシャルのようなものを提示しているんだと思っています。僕が日本で強く感じていたのは建築と都市計画の隔たりだったので、その境界を渡り歩けるような仕事に巡り会えればと考えていましたし、その意味では、この中途半端さというのは自分のなかで可能性をもった課題として持っておきたいと思っています。
最終プレゼンも終わったので、これから次の身の振り方を考えます。

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