さて、今回は川岸が現在働いているKCAP(Kees Christiaanse Architects and Planners)について少し紹介してみたいと思います。
Kees Christiaanse Architects and Planners
http://www.kcap.eu
スイスに来てから2年間、ETHでアーバンデザインというものを勉強しはじめたのですが、やはり大学でアーバンデザインを勉強することは難しいように感じました。やはりデザイン課題という範囲では、Stakeholderの本当の要求というのは聞くことができないし、建築みたいな最終的な形態として提案するわけでもない。結局デザインが見えてこなかった、というのが正直なところでした。
そこでアーバンデザインを実践として経験できる場所を探していたところ、運良くKCAPに自分の能力を見いだしてもらえ、最大の難関とも言われていた労働許可もオフィスの懸命の努力でクリアし、なんとか正式に働き始めることになりました。
KCAPは日本ではほとんど知られていない事務所ですが、現在RotterdamとZurich、そしてオリンピックのプロジェクトの関係でLondonにもオフィスがあります。Rotterdamには約60人、Zurichは約10人、Londonは数名(らしい)が働いています。
ボスであるProf. Kees ChristiaanseはOMAでパートナーを務めた後に独立。現在はETHで教授も務めています。オフィス全体では建築のプロジェクトももちろんあるのですが、Zurichのオフィスは現在のところアーバンデザイン専門。それも彼がアーバンデザイナーとして一目置かれる存在だからのようです。プレゼンテーションやワークショップでは彼のアーバンデザインに関する知識にいつも驚かされます。今年の9月に開幕するロッテルダム建築ビエンナーレのキュレーターも務めていて、そちらも楽しみです。
オフィス。現在はコンペのプロジェクトなので、テーブルの上はスタイロフォームとボリューム模型の山。アーバンデザインは結局はボリュームデザインなので、模型の9割はスタイロフォーム。
プロジェクトのひとつ。ワークショップ用の模型です。建築をやっていたときとはスケールが全然違う。今担当のプロジェクトは8haなので建築の延長とも言えますが、現在オフィスの最大のプロジェクトは700ha。ここまでくるともはや数字だけ扱っているような感じですね。
もう少し働いて方法論がつかめてきたら、ちょっとまとめてみたいと思います。