1ヶ月ほど前に行った、SANAAによるSerpentine Gallery Pavilion。
鏡という効果は、不思議なものだ。一般的に鏡を壁面に配置すると視覚的に空間が広く感じられる。それが天井面に使われ、周りの緑を映し出すと、天井の存在感がきわめて薄く感じられた。林立する柱のあいだに立っていると、森の中にいるような感覚を覚える。
石上純也のKAIT工房でも柱のランダムさから似たような感覚を覚えたが、あくまでメタファー的な理解であって、SANAAのこの感覚はもうすこし経験的なリアリティをもった森に近づいている。
屋根の厚みは約20mm。柱も平均して直径50mmほど。全体として透明感が極めて高い。同じ構造体をガラスで作るよりも存在感は薄くなっている。