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Urban Report


 今週はUrban Reportという、Prof. Kees Christiaanseがコーディネイトする国際会議に参加してきました。アムステルダム、ダブリン、ビルバオ、ザグレブ、コペンハーゲン、チューリッヒという中規模の国際都市を対象に、各都市がどのような戦略や方法もって都市を発展させようとしているのかというレポートから、都市をデザインする立場の人間がどんなことが可能か議論するという場だったように思う。
 世界的に投資の力が強くなっている現状において、どう都市のアイデンティティを形成していくか、また行政、建築双方のアプローチとしてもどのようなことが可能か、考える機会になりました。オレのなかではビルバオのアプローチが新鮮に感じましたね。グッゲンハイム美術館というアイコンを中心に、工業地帯の跡地だったウォーターフロントを、計画的・継続的な理解ある投資・開発によって経済効果をもたらしたその戦略に感心すると同時に、お金の問題、建築や景観の問題も含めてコーディネイトしたその組織力に魅力を感じずにはいられませんでした。
 そのまま、大学に戻ってMatthias Heyden氏によるドイツのポストモダニズム時代の講義。200枚を超えるスライドで途中からさすがに疲れてきてしましましたが、要は人が公共空間にテンポラリーな空間をつくったこと(たとえば広場に展示空間としての建築をつくったこと)によって、それまで形式化していた美術館という建築の認識ではなく、ピュアな展示空間を実現するために建築に何が可能かという議論を起こしたことの重要性、だと思った。
 テンポラリーな空間は新たな空間の可能性を見ることができる点で非常に重要ですよね。既存する空間のなかにあるしかけを配置することによってどのようなコミュニケーションが起こるか、そこからフィードバックされる新しい空間のつくるための方法、姿勢に新しい空間形態の断片がある。新潟で少し参加させてもらったカフェやFloating Platformなどのテンポラリーな空間の捉え方が少しわかった気がしました。
 来週の1週間はSeminar Weekっていうやつで、教授がコーディネイトする旅行や見学に行くことになっています。僕はチューリッヒで食と建築をテーマにいろんな食の空間と食に関する空間を調査・分析して、展示することになってます。プロジェクトのほうもプレゼンが迫ってきたのに・・・えらいこっちゃです。

建築と都市デザインの間で


 先週はProf. Angelilを招いて初のプレゼンテーションでした。今回は1:10000の地図の分析と、1:2000のスタディ模型たちと、1:100の住戸プランからプログラムをつくって、keynoteで発表してみました・・・が、モノはあってもやはりその文脈、関係性をしっかり説明しないと理解してもらえないですよね。Angelilはさすがに理解力がすさまじく、重要なポイントをつかむのがめっちゃ早い。でも十分伝えきれてないと、その反応も鈍くなってしまう。今回は提案の可能性を広げる方向でつくっていって、批評をもらおうと思って臨んだんですが、語学力がネックとなり伝えきれてない印象。早く上達したいところです。
 これまで慣れてきた住戸スケールの1:100から、1:10000という未知のビッグスケールの間で建築と都市の形態を考えることは僕にとって新しいチャレンジですね。特に大きなスケールの情報からいかに形態操作やプログラムに活かすか、自分の中で可能性を探っています。そして重要なことは段階的にではなく、同時に扱うこと。大きなスケールで分析しつつ、形態をさぐりながら、内部のプログラムまで関連づける。簡単じゃないと思うけど、この方法を身につけることを第一の目標にしています。
 日本で建築を勉強していて、1:10000とか、1:25000とかの地図を扱うことはまずなかったし、それはきっと都市計画や社会基盤の領域なんだろうと思う。しかし、都市デザインを考えるときにはこの領域を横断する必要があるし、その扱い方を知っていなければならない。例えばディベロッパーと対等に仕事をするにはこの考え方は重要だろうし、建築をデザインする幅を獲得するための武器になるはずです。
 ちなみに、先週は東工大の坂本一成氏が講演されました。日本語+ドイツ語通訳で。Box in Box理論と配置法が独特ですよね。でも時間がなかったせいか少し抽象的で、その具体的な方法までは理解できなかったです。こういう空間構成の考え方ってこちらではまだ聞いてないねー。久しぶりに日本の建築理論に触れた感じでした。

はるばる日本から


 1ヶ月遅れだけどしっかり届きましたよ、「ブリッジ・ブリッジ」!!!著者でありブリッジを世界に広めたやまだ山とちぇけらっちょの愛のこもったメッセージに包まれてました。どうもありがとう!早速完成した「ブリッジ・ブリッジ」を読んで、感動したね〜、これ。しかもめっちゃ完成度高くなってるし!やまだ編集がんばってたもんね〜。すげーよ、この1冊が持ってる力は。
 それにしても、いつもの風景にブリッジが入るだけで、どうしてこんなに、ニヤ〜ってなってしまうんだろうね〜。最近作業で疲れて帰っても寝る前にコレを読んで、ニヤけながら寝る事にしております。
 で、早速、スタジオに持って行って(ずーっとオレの席の上に置いてありますよ〜。)ギリシャ人とインド人に見せてみました・・・が、以外に反応が鈍いね〜。最初は驚いて見てくれるんだけど、それぞれのブリッジの違いとおもしろさが理解できないらしい・・・。途中からページめくるの早くなって、ブリッジしてる人ばっかり見てる気がするね。多分、周辺の状況がわからないから、「こんなとこでブリッジなんかやってんの!?」っていう驚きが鈍いんだと思います。あと、ブリッジを風景として捉えてくれてないと思います。ということで、これはきっと日本人の感性にストライクな写真集なんだと思います。
 ということで、チューリッヒおよびスイスおよびヨーロッパにお住まいの日本人の皆さん!「ブリッジ・ブリッジ」で日本人の感性を再発見してみませんか〜!?ご連絡お待ちしてまーす。
(amazon.comでチェックしたい方は、こちら
 最後にひとつだけ、アスプルンドがスイスになってしまって申し訳ないっす。無念っす。

初リサーチ、初合宿


(写真左:施設の説明を聞いてます、右:今回の宿)
 火曜日、初のプレゼンを無事終えました。とはいえ、正直まだストーカーして得た知識がブレイクスルーしてない感じ。少し考え方を変えたほうが良さそうです。相変わらず言葉に詰まることがしばしばありましたが、コンビを組んでるギリシャ娘がいつもの強気でいってくれたおかげで、なんとか伝えることができた気がします。Marcは今日はいなかったのですが、アシスタントのJorgとDeaneから超するどい指摘とアドバイスをもらいました。彼らの考え方は本当に勉強になります。都市論はもちろん、他分野の論文もたくさん知ってるうえに、しっかりと建築を射程において話をする彼らのスタイルは、オレが目指しているものに近い気がします。
 さて、プレゼンが終わって間もなく、ワゴンでリサーチのためスイスの中央部に位置するThunへ。みんな徹夜で作業してたので、疲れているはずなのですが、ずっとプレゼンについていろいろ議論してました。着いたらさっそく施設の説明をしてもらって、ディナーを食べて、やっと寝られると思ったら!なんと、オレだけ女性陣と部屋が一緒になってしまったではないですか!さすがに初合宿でこれはないだろうって思ったんですが、「日本人の男は女性と同部屋で寝られない」と思われるとかなり悔しいので、日本代表としてしっかり寝てやりました。実際のところ夜遅くまでいろいろ話聞けたし、まあ、よかったかな〜。

(写真右:調査地。合宿所みたいな所です。右:ナイスガイなメンバー。)
 翌日、今回のプロジェクトでアイデアを提案させてもらうディベロッパーの方々から会社のポリシーや、今回のプロジェクトの概要について聞く。普段の設計課題と違って、お金の話もするし、経営戦略みたいな話もするので、より現実的な状況の中で、鋭いアイデアが求められているわけです。これはホントに最高のチャレンジですよね。ただ、この会社はただ利益だけを追求しているんじゃなくて、高層ビルは建てないとか、既存建物を残すとか、今地域に求められているものをつくろうとしている姿勢が見られたのが好感だったね。日本のディベロッパーのイメージとはちょっと違う気がしました。
 そして早速敷地周辺と市街地を調査したんですが、寒かった!山の頂上付近は確実に雪が降ってるんですよ!こんな日に調査とは不運でしたが、僕らチームのテーマである散歩道などを中心に5時間ほど歩き回ってきました。
 こんな感じで、いよいよ本格的にプロジェクトがスタートして、モチベーションもあがって来ましたよ〜。
祝!20000アクセス! これからもよろしくおねがいします。