URBAN PROTOTYPING


大学のほうも一段落したということで、Sebastianとウィーンに行ってきました。今回のお目当てはUniversity of Applied Arts Vienna主催のイベント「Urban Prototyping Conference」(公式サイトはこちら)。参加した建築家も若手が揃っていて最近の動向が知りたかったし、1988年の”Deconstructivist Architecture”のキュレーター、Vollume Magazineの創始者として知られるMarc Wigley氏の講演が聞けるということで即決しました。
印象に残ったのはBIGのプロジェクト。投資の力を意識したデザインと、メディアを駆使した戦略が若手建築家の勢いを感じさせてくれました。今年からUCLAのChairをもった阿部仁史氏のプレゼンテーションは全く建築作品は紹介されませんでしたが、むしろUrban Protyping として議論されるべき内容だったと思います。東京のマンガ喫茶やカプセルホテル、コンビニなど、都市が住居の一部になっている現象を非常にうまく説明されていました。隣で聞いていたSebastianは「お前らは狂ってる!!」って言ってましたが。。。
Mark Wigley氏はその建築家たちのプレゼンテーションを総括した内容。PROTOTYPEは同じようなものを量産する際に用いられるものだったが、違いをつくるものとして存在していると主張していました。なるほど、日本でも建築計画はある建築の標準形、いわゆるプロトタイプをつくる学問として存在していたわけですが、現在は異なる条件でのケーススタディを集積・分析する学問となっているのもそれに近い気がしました。プロトタイプはデザインの裾野を広げるものとして蓄積することには意味がありそうな気がしました。

同時に展示もスタートしたらしく、同大学の作品を見学。形態操作がやはり独特です。ETHのスイスボックス一色とはまるで正反対に見えますね。

TUWienで木質構造デザインの授業をもっておられる網野先生とも1年ぶりにお会いしました。ちょうど担当されているコースの講評会をやっていて、運良く学生たちの作品もみる事が出来ました。

最終日はちょっと遠出をしてスロバキアの首都Bratislavaへ。遠出といってもウィーンから1時間。1993年にチェコスロバキアから独立し、首都となったBratislavaはドナウ川が流れる人口40万人ほどの中都市。天気もよく、ぼーっと過ごすには最高でした。街の中を歩いてみると、奇妙な形の建物を発見。メタボリズムかと思ったら建てられたのが1926年ということで、ロシア構成主義に近いのかもしれない。でもどうしてもこの形態を支持する気にはなれなかった。ちょっと文脈が知りたい。
奇妙だったのはそれだけじゃなくて、街に人がいないこと。道路は広いのに、クルマがない。広い公園があるのに、人がいない。日曜だからっていうのを考慮しても、街の中心部で人がいるのが旧市街だけっていうのは本当に気持ち悪かった。その後川沿いに戻って人々も見られるようになったが、その空虚感が不思議だった。

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