年末、思い立ってパリへ行ってきました。まあ、思い立ってパリに行けるところもスイスの立地の良さであるわけでして(しかも片道8000円くらい)。今やっている高齢者のプロジェクトでLandscapeやTopographyというものと建築をどうやってシンプルにデザインするかっていうのを考えていたので、ちょっとネタを探しに行こうと考えたのです。
まず、Dominique Perraultのパリ国立国会図書館。対岸のBercy公園との間に2006年7月に開通したシモーヌ・ド・ボーヴォワール橋ができたことによって、デッキ部分の公共性が高められた印象。閲覧室が入っている下層部分は直接外部との関係性は見られないものの、野生を思わせる切り取られた森は人工的なランドスケープとは違った魅力がある。セーヌ川に浮かぶPISCINE JOSEPHINE BAKERと呼ばれるプールも発見。セーヌ川沿いが公共空間として開発されているような印象。
Bernard Tschumi設計のラ・ヴィレット公園。一応今回のメインディッシュだったわけですが生憎の雨だったので使われている様子はあまり見られず。コンペ案ではフォリーと呼ばれる点のグリッドとプロムナードとよばれる線のグリッドをずらすことによって起こる偶発的な状況を喚起させようとした。コンセプトとしては明快で力強い。しかし、完成した公園には懐疑的な意見が多いようです。チュミが言うような偶発的なイベントが起こりえないことと、ランドスケープ自体としての魅力が感じられないこと。確かにプログラムは認識できても、全体的なランドスケープを体感できない感じはあったと思う。ただ、こういう人が訪れるための公園じゃなくて、ここに住民が住んでいるとしたら公園の使われ方が変化し、イベントが起こる可能性はあるのではないか。そこにはレイヤー構造の有効性があるように思われる。
続いてエッフェル塔。特にランドスケープデザインというわけではないけど、あまりにかっこよかったもので。
Jean Nouvel設計のケ・ブランリー美術館( LE MUSEE DU QUAI BRANLY)。2006年6月にオープン。アジア・アフリカ・オセアニア・南北アメリカの文明と芸術を展示するための美術館。行列のため内部には入れず。精霊たちが生き続ける場として提案されたことあって、持ち上げられた建物の下部や外部空間もデザインされている。カルティエ財団本部のように街路沿いにガラス面をたてる手法は川側からの景観をなじませる意味では有効だと思うが、カルティエほど本体との一体感が感じられないし、レイヤーも感じられないから、表面を覆うスクリーンのように見える。内部の植物が成長するともっと魅力的になるような気もする。次回は内部にも入ってみたいですね。
5年ぶりにCentre Pompidouへ。ランドスケープ(地形?)自体はとてもシンプル。この傾斜のつけ方によって建物本体を背景とした劇場のような雰囲気をつくられたことが成功だったんでしょう。建物を境界にして場をデザインする、むずかしいけど一番の近道かと思います。
あと、また5年ぶりにノートルダムに行ってきました。どうやら自分はああいうゴシック建築が好きみたいですね。パリでお世話になった藤作さん、ありがとうございました。
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