Zurichから車で30分ほど、Teilwilというところに建設中のGigon/Guyer Architektenによる住宅のオープンハウスに行ってきました。Zurich湖に面した丘に建っています。すぐ後ろに鉄道があるという不利はありますが、それでも湖の景色が楽しめる絶好のロケーションです。
ちなみに、この立面で見えている最上階は実は「屋上階」です。都市計画によりますが、基本的にZurichでは屋上階は日本でいう容積率に含まれないので、最大限に利用できます。もともと住宅の屋根部分が住居として使われていたところから法律がそうなったと思われますが、彼らの特徴となっているこのシンプルな形態は、この屋上階やバルコニーなどのスペースを含めて一体化させるテクニックが成せる技というわけです。
湖側のバルコニーは北東を向いていて光が入らないので、バルコニーは2方向に分割されています。反対の南側は鉄道がとおっているので、光は入るけど騒音が問題になる。どちらかというと湖側には個室群が配置されてそれぞれの部屋に眺望を得るためのバルコニー、南側はリビングやキッチンが配置されてバルコニーは共有空間をつなぐ半外部的な使われ方、という感じでしょうか。
屋上階の南側のバルコニー。リビングやキッチンに面していて、内部空間の延長として使えそうです。
屋上階のリビングスペース。バルコニーを介して個室を眺められる、透明度の高い空間になっています。
ちょっとした納まりのテクニック。やはり受ける印象は細かい努力の積み重ねによって変わりますね。地味だけど重要です。
外にはもちろん多くの建築関係者が。元同僚とも久しぶりに再会しました。
ちなみに賃貸のお値段ですが、120m2くらいの4.5 Zimmer Wohnung (日本でいう3LDK?)で月3000CHF程度(30万円程度?)だろうということです。これだけ湖の眺望が得られることやZurichの中心部まで30分と考えると、結構お手頃価格じゃないかと思われます。インテリアにもそれほどお金がかかっているようにも見えなかったし、構造もシンプルだったので、それほど贅沢な仕事でもなさそうです。でも、クオリティとしてはさすが、ですね。
彼らの戦略とテクニックは勉強になりますね。
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