エチオピア3日目:メルカート


(写真左:プレゼン前の打ち合わせ 右:睡眠不足のDarius)
本日はBuilding Collegeで残り2チームのプレゼンテーション。前日がよい感触だっただけに気合いを入れていったものの、ジュリーメンバーがちょっと遅れているらしい。前日は遅くまで踊りにいってたメンバーが多く、ちょっとグッタリした空気もあり。僕は初日からすでにカゼ気味でした。。。

(画像左:鋭い視線を送るOliver氏 右:奮闘中のFei&Girls)
今回のプレゼンテーションには前日からの教授陣に加え、Prof. Oliver氏, 主任のアブラハム氏、そして市の建築部門から参加してもらいました。東アフリカで一番の大きさを誇る市場・メルカートについての議論では、彼らもメルカートの構造を把握しきれていないようだ。博士論文でも明快になっていないらしい。おもしろいテーマであるのは間違いないが、現地の人とは違った切り口が不可欠だ。最後にOliver氏がプロジェクト全体をひとつとして捉えられる視点を提示してくれたのがとても有意義だった。

(画像左:航空写真メルカート 右:メルカートの人々)
昼食後、東ヨーロッパ最大のマーケット・メルカートへ。Google Earthでチェックした時は上の画像みたいに奇麗なグリッドになっていたので、市場の近くにスラムか何かが作られているんだと思ってたのですが、いざ来てみると、その全てがマーケットであることに気付かされたわけです。まさに巨大なマーケットで、欲しいものは全て(しかも安く)手に入るらしいです。

(画像:メルカートの人、人、人)
ガイドしてくれた学生はいくつかのゾーンに分かれていると説明してくれたが、あまりの人の多さと、同じような店舗の連続のために、その構造を把握する事は非常に難しい。しかも見えているのは表層部分のみで、奥に住居があるのか、作業場なのか、はたまた地下に保管スペースがあるとか、その実態は謎のまま。ただ、その規模と組織はしっかりとしたルールの中に成り立っているように感じられた。

(画像:メルカートに埋もれるメンバー。)
僕たちも警戒して少人数のグループに分かれたものの、メルカートを歩いているともちろん目立ってしょうがない。おもしろいことは僕が通りかかるとほぼ全員が”China!”と声をかけてくること。中国の影響の大きさを実感した。新しい道路の8割は中国からの技術によって建設されているらしいし、メルカートの商品の多くも中国から輸入されてくるらしい。

(画像左:ペットボトルのリサイクル 右:金属のリサイクル)
メルカートは巨大なマーケットとして海外ともネットワークをもっているだけでなく、アディスやエチオピアにとっても重要な役割を果たしている。その一つはリサイクル部門。市内のリサイクル可能なものはここに集められ、加工され、商品として並べられる。欲しいものは何でも手に入る場所であると同時に、全てのものを受け入れられる場所でもあるわけだ。無職者がガラクタを集めてお金を稼ぐ事が可能なのも、全てはメルカートが万能なマーケットとして機能しているためだ。ここにいるほとんどの人はここに住んでいるわけではなく、毎日通って来ている人たちらしい。オーナーはアメリカにいるのだとか。この空間を解明することは難しいが、ここから学べる事はきっと多いはずだ。

(画像左:バスターミナル 右:新しいショッピングモール)
メルカートのように人が集まるところにはインフラや投資も集まっていて、バスターミナルもあれば、新しい建物も頻繁に見られる。メルカートの特徴は高密度の状態で水平方向に拡大していくことで、地元のアーバンデザイナーたちは高層の計画案も検討している。しかし、消費活動がグラウンドレベルに集中しているため、高層のモールはそのアクティビティの獲得のために苦労していらしい。確かに雰囲気や人の入り方もかなり違う。
メルカートは単に市場としてではなく、むしろ重要な都市機能として考えられるべきだろう。

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