(画像:Addis Abeba University でのプレゼンテーション)
2日目。Addis Abeba Universityで計画案のプレゼンテーション。予想に反して(?)教授陣をはじめ、ディベロッパー、政府からの専門家、多くの学生が参加してくれました。正直なところ10人くらい来れば良い方と考えていた僕たちは、彼らの興味を知って一気に緊張感が高まりました。
(画像左:白熱するディスカッション。 右:川岸も奮闘中。)
今回のディスカッションはとても有意義でした。単にデザインの評価ではなく、社会的な側面(民族や政策)、経済面(企業投資や行政投資)などから現実的な可能性と課題を議論できた。実務経験のない自分にとっては新鮮だったし、現地の専門家たちも試行錯誤しながらやっているので、議論のなかからいくつもの面白いアイデアが浮かんできた。僕たちのチームにとっては、自分たちの計画地がディベロッパーの所有地だったので、彼らの考え方や方針をある程度”生々しく”聞けた事も収穫でした。
(画像左:ETH&アディスの講師陣。右:トークに熱が入ってます。)
今回のサイトの一つに設定されている古い空港近くのゴルフクラブでランチ。プレゼンテーションがお互いにとても好感をもてたので、トークも盛り上がりました。その後、アディスアベバでのプロジェクトが3カ年のプロジェクトになることが決まったそうです。
(画像左:南西部の開発地区、右:どこでもよく目にする光景)
ディベロッパーの事務所に行く途中に市の南西部に位置する住宅開発地区に寄る。環状線を走っているとかなりの数の住宅開発を目の当たりにする。インフラ整備も十分に進んでいないのに住宅開発はすごい勢いで進められている。その結果、画像のような家畜が道路に出てきて何度も危険な場面を見かける。都市の急速な成長に対して、周辺の農村部での生活が変化しきれないために、こういうアンバランスが生じている。
(画像左右:東部の開発地区)
そのまま環状道路を経由して東部の開発地区へ。市の西と東を結ぶ幹線道路沿いは特に開発が進められていて、マスタープランでも8階建ての建物が建つことになっている。周辺には平屋か2階建ての住宅しか見られないのと、中層以上の建物には決まって反射系の色付きガラスが使われているのもあって、かなりの存在感を放っている。
(画像左:ディベロッパー訪問 右:大学での講義)
課題の敷地を所有しているディベロッパーを訪問。現在は他の開発地区のブロックなどの生産のために使われているが、近いうちに住宅地として開発される。彼らが提案しているのは道路沿いに5層の集合住宅、内部に2層の住宅を建てるもの。自分たちはこれに対してカウンタープロポーザルをすることになる。彼らは中国やインドなど似たような地形での開発をコピーしてデザイン(といえるかは怪しいが。)しているらしい。これも経済発展の速度の影響として想像できないこともないのだが・・・。
その後大学に戻ってDr. Paul Oliver氏によるVernacular architectureのレクチャーに参加。さすがに疲れていたが、内容はとても興味深くて、「集落の教え」にあるような魅力的な住居が紹介されていた。その後のディスカッションでは建築のアイデンティティがテーマになった。ディベロッパーからコピーの話を聞いていたものだから、大学でこんな議論が起こっていることに共感できたし、経済発展の速度のなかで土着性を保っていくことの重要さと難しさも再認識した。