Zurichの若手建築家、Graber Pulver Architectsで働く友人に誘われ、彼らのプロジェクトの見学会へ。パートナーのMarco GraverとThomas Pulverはともに1962年生まれで、チューリッヒの若手建築家として注目されています。2006年から2008年まではETHZで客員教授を務め、ETHZで作品展も行われ、活躍が期待されている建築家です。
今回のプロジェクトは、Zurichから鉄道で15分ほどのところにあるBaarという街。敷地は街のはずれの周辺の山が見渡せるところで、9棟からなる集合住宅のうち、第1期の4棟の見学会でした。
ヴォリュームは全体として2本のラインが見えるように考えられていて、それが切られるように棟が分割されている。切られた面は打ち放し仕上げで、その意図が読み取れ
る。地形に合わせて、敷地の北側から南側にかけて徐々に高さが低くなるように設計されている。
ファサードで印象的なのは窓の配置と色づかい。ランダムに見える開口部は3タイプの窓とロッジアの組み合わせによって構成されているそうです。開口部のタイプの違いに合わせて3色を使い分けている。
住戸内部。ロッジアに面したリビングルーム。スラッとしたお兄さんたちがよくハマっています。
ロッジア(屋上テラス)とリビングルームが連続して配置され、とても広く感じます。ロッジアの屋根は締めて半内部の空間としてもつかえます。
敷地の高低差を利用して設計された天井の高いフラット。ちょうどヴォリュームの屈折するところなので平面も台形。20-30代には合うかもしれない。
東側のテラスに差し込む午後の光。綺麗ではあるのだけれど、外壁のレイヤーからくる制約で壁が多くなるためか、東側のテラスは少し暗い印象。もちろんプライバシーの問題もあるかもしれないけれど、テラスの部分はもう少し開口の面積を増やしてもいいような気も。もちろん外観の統一感も重要ですが。
後でもう少し設計意図について友人に聞きました。いや〜、勉強になります。もう随分事務所も大きくなっているようです。
ちなみに2期までは少し時間が置かれるそうです。周辺も新しい住宅が建設されていたので、この4棟とランドスケープ、そして周辺と合わせて、エリアとしていい印象を与えられれば、2期は売値を高く設定できるかもしれないですね。景色もいいし、ポテンシャルは高そうです。どう進んでいくか今後も楽しみです。