e2aの仕事


e2aのオフィスで働きはじめて以来、実はほかの同僚たちが何をやっているのかはあまりわかっていなかったのです。そんなときにいいタイミングでオフィスが現場の見学会を企画してくれて、金曜日の午後に全員でショートトリップに行ってきました。写真を載せてしまっていいのか多少の不安もありますが、今回は写真満載でe2aの仕事をご紹介します。
現在オフィスでは25人くらいが働いています。Piet Eckert、Wim Eckertの両氏がオフィスを設立してからちょうど10年。3年前は10人前後だったと聞いているので、ここ数年で急激に成長しているオフィスと言えるかもしれません。プロジェクトの大半はスイス国内ですが、ドイツやオランダからもプロジェクトが入りはじめています。興味のある方はe2aのウェブサイトをどうぞ。http://www.e2a.ch/
1つめはWinterturにある住宅、通称Triangle House。

丘の上の三角形の敷地に建っていて、眺めも抜群です。

鋭角の先端部分をガラスで押さえています。

高さ、大きさの異なるまどが配置されています。コンクリートは自己充填コンクリート(self-compacting concrete)を使っているそうです。

こんなサッシュの構造は初めて見ました。
2つめはZurichの少し南、Zumikonにあるアーティストのための住宅。

郊外の住宅地に建っていて、ここも眺めが最高。外壁はアルミニウム鋼板。

中央に象徴的な階段ホールがあって、各部屋をつないでいます。

2階からみるとこんな感じです。

中央部分の床がモルタル仕上げなんですが、これが良かった。さすがスイスクオリティ。
カーフェリーでチューリッヒ湖を横断し、対岸へ。ちなみにこの日の気温、-1度。

3つめはWollerauにある住宅+ゲストハウス。

チューリッヒ湖を望む急斜面に建っています。

3つの箱の間にエントランスがあります。

湖側のファサードはもちろんガラス張り。絶景はあなたのものです。

そのガラスの一部分が電動で開いちゃったりします。さすがスイスクオリティ。

階段とトップライトの組み合わせが気持ちのいい空間をつくっています。
納まりもシャープです。

地形が急斜面なのもあって、階段が少し複雑になっています。
この上が外部のエントランスの階段。
4つめはZurich Wollishofenにある聴覚障害者のための学校。

暗くてまったくわかりませんが、外壁はパンチングメタルです。

予算が少なかったらしく、かなりシンプルですが、所々に工夫が見られます.

こういう枠なしの建具、使ってみたいですね。ドアの丁番もなくせるらしいです。

階段が唯一の見せ場。苦労のあとが見えます。
と、見ることができたのは4つだけだったのですが、収穫が多かったです。今のオフィスでは自分のドイツ語がヒドい割に、いいプロジェクトを任せてもらっているし、ミーティングで他社の人たちとも関わる機会に恵まれていることはラッキーだと思います。でも、しっかりドイツ語を使うことができれば(もちろんデザインの能力も必要ですが)、ディテールのデザインやコラボレーターとの打ち合わせなど、もっとたくさん吸収できることがあるし、今回e2aの仕事を見て、彼らからもっと勉強したいと思わせてもらいました。
今だから勉強できることを、最大限に吸収するために、やるべきことを、ですね。

初コンペ終了。




8月末から2ヶ月かけてやったe2aでの初仕事、住宅のコンペが終了。法規やスイス基準の設計に何度となく苦しめられましたが、最後の3週間は3人の強力な助っ人の協力もあって、良い形で終えることができました。
最終的には10戸、約1500m2のプロジェクトになりました。規模としてはほどよくコンパクト。全体的なコンセプトとしてもシンプルになりました。
ボスであるWim&Pietとは週に1、2回くらいのペースでミーティングをしていましたが、やはり時に重要な提案をしてくれるのはさすがでしたね。最後まで初頭のコンセプトのアイデアを貫く事ができたのは、彼らがその都度方向性をコントロールしてくれたおかげだと思います。日本で設計していた時に、建築家になるためには自分に足りないと感じていた部分を勉強させてもらっている気がします。
2週間後にプレゼンテーションがあって、その後結果発表。いいプロジェクトになったと思うので、ぜひ実現したい!ところですが、感覚としては五分五分ですかね。コンペに勝てそうな時はそれが分かるものですが、今回はそこまででもないような気もします。スイスでの初仕事なのでその辺の感覚も不確かですが。
果たして結果は!?