海外への憧れを経て

建築家・藤村龍至氏がこんな記事を書いています。
(…)留学するまでは「海外で働く」ということに漠然とした憧れがありました。学部3年生の頃、とある国際ワークショップに参加したことがきっかけで英語でコミュニケーションすることの楽しさに目覚め(ありがちですが)、バイトして貯金しては海外に行く、という日々を過ごし、英語もどんどん覚えることができました。
他方、留学している当時OMAにあった伊東事務所にバイトに通わせてもらっていたので、OMAのCCTVチームで怒号を飛ばして仕切っている重松さんや、毎日明け方まで働き、早朝出て行く白井さんを横で見ていて、インターナショナルなチームのなかでバリバリ働いている本当の意味で「国際的な」活躍をしている日本人に憧れる一方で、そういう環境に立つことの難しさも悟らされました。
重松さんのように帰国子女で英語が全く不自由しないか、白井さんのようにまとまった実務経験がある人もいるが、そのどちらもない自分がそのまま就職を試みてかたちとして「海外で働く」ということになっても、単なるCG係、もしくは模型係となってワークショップの片隅で黙々とヒートカッターの技を披露するだけなのではないかと。(続く。。。)
Roundabout journal http://www.round-about.org/2009/09/post_114.html
スイスに来てから3年が過ぎ、一流と言われる大学に留学し、海外設計事務所で実務を経験して、果たして自分が「国際的」になっているかと問われたら、ノーと答えると思う。国際的になっているというよりは、普通のスイス人に近づいている、という表現のほうがきっと正しい。日本で何の実績も持っていない自分は、日本人であるということ以外、スイス人にとって特別ではないからだ。
Patrick Blancというボタニストをご存知だろうか。彼はバーティカル・ガーデンをつくることで有名で、金沢21世紀美術館、パリのQuai Branly Museum、マドリッドのCaixa Forumと、世界各国の有名建築家が彼とのコラボレーションを求めている。彼のように、彼にしかできないと皆が認めてはじめて、エキサイティングな「国際的」恊働が可能になるのだと思う。
留学して、実務経験を経て、広がった世界に、今度は深さを与えていくプロセスが今の自分には必要なんだと強く思うようになった。それがスイスにあるのか、日本にあるのかはまだわからないけれど。藤村氏が当時考えていたことは今の自分の状況に少し近いのかもしれないと思った。

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